それは、
「仕事に対する価値観やスタンスといったものが弱い」と判断されるからです。
それが結果として「環境変化に弱い人材」とみなされます。
厳しい言い方をすると「この方は、おんぶに抱っこタイプの人なんだろうな」と一瞬にして思われている、ということです。
なぜか?
人間の本質として、人生が順調な時には条件(給与等)についてきます。
ところが、逆境や苦しい時にはビジョンや志、働く意義といったものについてくるようになります。
人生もビジネスも苦しい時に真価が問われます。
人は人生の苦しい局面を経て、自分の支えになるものや価値観と向き合うことができます。
人も企業も同様です。
市場が伸び続けて、業績が好調な企業にビジョンや理念がなく、又はあったとしても軽々しく聞こえるのは、上記の理由によります。
本当に理念に魂が込められている会社は、逆境の中を潜り抜けてきた経験をし、理念を醸成させています。同じ理念でも重みが違って感じます。
一方、ビジネスパーソンも同様です。
転職回数や職歴が少なくても許される業界というのは、市場が伸びている傾向があります。
仕事に対する価値観やスタンスはさておき、今直ぐアウトプットできるスキル・能力重視の採用を行なっています。
ところが、修羅場を何度も潜り抜けている業界や会社としては、条件(給与等)だけについてくる人材を信用しません。
逆境や苦しい時にどれだけ信念を持って活躍し続けられる人材なのか?
といった点を大切に採用を行なっている傾向があります。
「入社したら、条件が違っていた」
「業績悪化により雰囲気が悪くなった」
「オーナー企業でコンプライアンス上に問題があると感じたため」
「離職率も高く、長く働けないと思ったから」
事実として、そう感じて転職活動を行なうというお気持ちは分かります。
ただ、
「それで、あなたはどうしたのか?」
その状態をリカバリーするために、どんな努力をしたのか、までを伝えることができなければ、「逃げの転職」という評価を拭い切ることはできません。
その状態が複数続いている場合には、定着した能力特性と見なされ、改善見込みのないジョブホッパーという評価を下される可能性もございます。
「だったら、転職回数や職歴を気にしない会社を探そう!」
それでは、根本的な解決に至りません。
自身の職業人としての志、価値観、働く意義といったものをしっかりと見出すことが求められます。
ビジネスですから善し悪しの波は常にあります。日々、動く相場に反応するだけの職業人でいてはいけません。
ブレない職業人としての理念を軸に、荒波を進んでいくことが求められます。
致命的な荒波を避けながらも、超えられる波を何度も乗り越え、進んでいく必要があります。
キャリアというのはアップトレンドばかりではありません、荒波のように変化の中で目に見えない実力をつけていくものです。ビジネス・リーダーとして活躍し続ける方は、非常に高い確率で挫折や苦悩を経験しています。その経験の中で圧倒的な底力を養ってきた経験を持たれています。
経験者が語る言葉が、重く心に響くのはこのためです。
人を動かすことができる言動を持つからこそ、ビジネス・リーダーとして活躍できているのではいでしょうか。
逆境や苦しい時にどれだけ信念を持って活躍し続けられる人材なのか?
人は弱いものです。できれば人生の痛みを全て避けて生きることができたら、、、。
そんな考えに至ることも普通です。それでも、天気のように変動する人生のなかで逆境の中でどれだけ成長を遂げることができるのか。
こういった視点を持ち、足下をしっかり見据えたキャリア人生を歩むことをおすすめ致します。
日々、精進です。
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